目次
昭和20年12月3日~21年8月31日
■岡部悦子日記
昭和20年12月1日~20年12月29日
■観堂随話
岡部の回顧録(俳誌『雪解』に連載)
【解説】岡部長景巣鴨日記(奈良岡聡智)
【解説】観堂随話――岡部長景回顧録――(小川原正道)
内容説明
疎開先の伊豆から帰京し、自身の戦犯指定を知った昭和20年12月3日から、釈放された21年8月31日までの22か月間の克明な記録。「敗戦」「占領」を華族政治家がどう受け止めたのか、拘置所内の日常生活の様子や、他の戦犯容疑者との交流がリアルに描かれている。
▼皇居遙拝、君が代合唱にも占領軍は寛容だった
▼食べきれないほどの分量の充実した食事
▼皇族唯一のA級戦犯容疑者梨本宮守正王も特別扱いを受けていない
▼燃料不足にも拘わらず入浴の機会が十分あった
◎木戸幸一(内大臣)、東条英機(首相)、嶋田繁太郎(海相)、鈴木貞一(企画院総裁)、真崎甚三郎(陸軍大将)、賀屋興宣(蔵相)、大島浩(駐独大使)、鮎川義介(満業総裁)など、巣鴨に収容された戦犯容疑者たちのもう一つの姿が伝わってくる
★「巣鴨日記」全文のほか、岡部が巣鴨に入っている間に死去した妻悦子の日記と、昭和29年に岡部がまとめた回顧録全文も収録
岡部長景(1884-1970)とは………
外交官・政治家。東京帝大卒。外務省文化事業部長、内大臣秘書官長を経て東条内閣の文部大臣に。戦後GHQに戦犯容疑で逮捕され巣鴨拘置所に22か月間収監される。釈放後は文化活動に復帰、東京国立近代美術館館長、国際文化振興会理事長などを歴任。