彼の日記は、旧満州の政治・社会状況について、これほど詳細に伝えるものはないといわれるほどの第一級史料。この日記のハイライトを紹介し、ひとりのエリート官僚の肉声を通して昭和史の裏面を読む!
◎何が浮かび上がってくるのか……… 「満洲国という国家がいかに無理に無理を重ねた砂上の楼閣であったかということである」 「現在の日本には植民地はないし、政治勢力としての軍部も存在しない。しかし、官僚が政治を動かそうとしたりする可能性や、アジアの人々への偏見から問題を起こす可能性は残っている。特に満洲国を含め、近代日本の植民地支配を正当化する論調は、歴史研究が進んだ現在でさえ残っている。結局『武部六蔵日記』は、筋の通らないことは長続きしないことを植民地統治や戦時下の日本の政治の見聞を通して後世の人々に訴えているのである」
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