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| 近現代史 |
| 日露戦争が変えた世界史 改訂新版 |
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平間洋一著
A5判310頁 2,625円 本体 2,500円
ISBN4-8295-0354-8〈2005〉 |
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| 新たに発掘されたロシア側の史料『千九百四、五年露日海戦史』により初めて明らかにされた事実を取り入れて大幅に改稿した決定版! |
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| 本書の内容 |
初版刊行から一年を経ずして改訂新版としたことには、以下の事情があることをお断りしておきたい。
旧版では、ロシアの意図などを、当時の外交文書や関係者の回想録などから裏付けていたが、ロシア海軍軍令部が編纂した『千九百四、五年露日海戦史』の存在が明らかになり、この史料で新たにわかったことを取り入れることが日露戦争研究の深化につながると考えた。
日本海軍が編纂した公刊戦史『明治三十七八年海戦史』は広く知られているが、日本海軍は同書をロシア側に寄贈している。寄贈を受けたロシア海軍は、これを批判的に検証し『千九百四、五年露日海戦史』を編纂している。この両書からは、日露両国、両海軍の史実の差異も多々発見された。
とくに、『露日海戦史』には、当時のロシア中央政府関係者(皇帝や陸海軍、外務省など)の発言や報告書などが豊富に掲載されており、従来の研究を書きかえなければならない事実も少なくない。
『露日海戦史』の注目すべき記述をいくつか紹介しよう。
日本に勝利するためには一・五倍の兵力が必要であり、兵力増強が完了するまで二年間は対日戦争を避けるべきであると書かれている。また、ロシア海軍軍務局員の作戦計画担当者は、当面は「縦令、多大ノ譲歩」をしても対立を回避するのが「得策」であり、海軍は「今後二カ年ヲ経テ日本ニ対シ宣戦スルノ堅キ決心ヲ以テ、不撓不屈戦備ヲ修メ」るべきとしている。
さらにロシア外務省は、開戦時までに有利な国際関係を構築すべく努力すべきであるとし、極東でロシアが「絶対優位権ヲ確立セント欲ス」るならば、「須ク日本ヲ撃破シ」し、「艦隊保持権ヲ喪失セシメ」なければならないとしている。
また、対日戦争では朝鮮を占領し、馬山浦を前進根拠地とし、「日本人ヲ撃破スルノミニテハ不十分」で、「更ニ之ヲ殲滅セサル」べからずとの上申書も載っている。
ロシアが対日回答を延期していた背景については、ウェレニュース少将指揮下にあった戦艦オスラビア、巡洋艦アウローラ、ドミトリ・ドンスコイや駆逐艦・水雷艇十数隻(開戦時、ジプチ在泊中)が極東に回航中であった事実も読みとれる。
仁川沖海戦の最初の砲火が日本海軍の水雷艇の魚雷であったことなども明らかにされており、日本海軍による事実の隠蔽の検証も行った。
『露日海戦史』は日露協商下の帝政時代に書かれたため、敗北の究明を主とし、敗軍の将に対する厳しい批判に偏重しているという難点はある。しかし、スターリン時代のような極端な覇権意識や反日感情もなく、イズムにも冒されていない。このため、戦争や作戦をめぐる対立、敗北の理由と責任、失敗した作戦の指揮官を実名で厳しく非難しており、日露戦争を理解するロシア側の第一級史料といえる。
『千九百四、五年露日海戦史』は二千数百頁に及ぶ大著であり、本書改訂に際しても引用には限りがあった。詳細は、芙蓉書房出版から刊行された復刻本を参照されたい。
平成十六年十二月
平間 洋一 |
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