序章——日ソ中立条約の概略
一、緊張高まる日ソ関係
満州事変勃発に乗じて軍備拡張に走るソ連/ソ連外交の二面性/不可侵条約を提議してきたソ連側の真意/不可侵条約に対する日本側の態度/日ソ間で紛争が絶えなかった北満(東支)鉄道の譲渡問題が焦点に/北満鉄道譲渡協定成立までのかけひき/日独防共協定の成立によって悪化する日ソ関係/張鼓峰事件の発生……
二、第二次世界大戦の勃発と日ソ中立条約
ノモンハン事件の敗北/独ソ不可侵条約の衝撃/日ソ関係改善の仲介に積極的なドイツ/日独伊ソ「四国同盟」をめざす動き/日ソ不可侵条約に消極的な阿部内閣/日ソの政治的接近に難色を示す有田八郎外相/日ソ中立条約案に反対する東郷茂徳駐ソ大使/中立条約交渉を放棄した松岡洋右外相/四国同盟をめぐるドイツの動き/建川大使が提議した日ソ不可侵条約案/ドイツの斡旋申し入れ/リッベントロップ腹案をはねつけたソ連の回答/モロトフが提示したソ連側対案/幻に終わった松岡の「四国同盟」構想/松岡・スターリン会談で急転直下、「日ソ中立条約」締結/日ソ両国にとって必要だった中立条約/ハル・ノートはKGBの謀略か/独ソ開戦で揺れる日本……
三、太平洋戦争と日ソ関係
開戦前から検討されていた独ソ和平構想/独ソ間の斡旋に乗り出さず静謐を保つ日本政府/日本の対ソ参戦を要望するドイツへの拒否回答/東郷外相の終戦構想と戦時外交無用論/日ソ関係改善についての佐藤尚武大使の献策/戦局悪化とともに重要性を増す対ソ外交……
四、特使派遣問題
独ソ和平のための特使派遣要請をソ連は拒否/国際情勢に対する甘い判断しかできなかった日本の指導者/不調に終わった特使派遣計画/佐藤駐ソ大使の痛烈な日本政府批判/重光外相と佐藤大使の対立/敗色濃厚な状況下での日ソ中立条約延長工作/中立条約廃棄に動くソ連/ソ連の仲介による終戦工作への期待/高木・松平・松谷・加瀬ら木戸内府の参謀たちの終戦工作/時局収拾のための最高戦争指導会議/対ソ交渉案の要旨……
五、ソ連参戦
鈴木首相の「黙殺」声明の波紋/受諾条件をめぐる対立/連合国側の回答受け入れに抵抗する軍部/八月一四日の御前会議/八・一五陸軍クーデター事件と玉音放送/ヤルタ会談とソ連の宣戦布告/ソ連参戦を見通した日本側の情報分析/ソ連軍の侵攻開始/終戦と満州国の終焉/終戦後も続いた樺太の戦闘/北千島の対ソ戦……
著者
工藤美知尋(くどうみちひろ)
1947年山形県長井市生まれ。日本大学法学部卒業、日本大学大学院法学研究科政治学専攻修士課程修了、ウィーン大学留学、東海大学大学院政治学研究科博士課程修了。政治学博士。日本大学専任講師を務めた後、1992年に社会人入試、大学院入試のための本格的な予備校「青山IGC学院」を創立、学院長として現在に至る。主な著書に、『日本海軍と太平洋戦争』『日ソ中立条約の研究』『日本海軍の歴史がよくわかる本』『東条英機暗殺計画』などがある。
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